8月12日から8月19日にかけて秋田県能代市で開催された「第21回能代宇宙イベント」のカンサット競技ランバック部門に出場しました。今回の出場は、2019年以降6年ぶりとなりました。
本プロジェクトは5年間カンサット競技に出場できなかったことに加え、技術継承も十分に行えず、いわばロストテクノロジー状態に陥っていました。この状態をいち早く脱するために、能代宇宙イベントへ出場し、ゼロベースでのカンサットの開発を進めました。この過程を通じて、宇宙機設計の基礎的な技術や知識を学び、実践し、蓄積していくことを目標としました。
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本競技における目標は、GPS情報と9軸センサを使用しゴール5mの範囲に到達する事でした。過去の機体を参考にしながら、機体設計、プログラミング、モジュールの選定を行いました。
大会一日目。現地審査の結果、機体の大きさが規定を超えていたため再審査を行うこととなりました。再審査にあたって、プラスチックの外装を加工し短くすることで再審査に合格することができました。その後、キャリアに搭載したカンサットをドローンで上空50mまで上昇させ、投下しました。パラシュートは正常に展開して減速落下しましたが、風に流されフィールド範囲内ぎりぎりに着地しました。カンサットは外装から脱出し無事に走行を開始しましたが、地面に生えていた硬い茎に阻まれ走行不能になり、ゴールから40mほどの地点でリタイアとなってしまいました。
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大会二日目。前日夜の降雨の影響で午後からの競技開始となりました。現地審査を通過し再び投下となりましたが、確認不足により落下中にパラシュートの紐が絡まり、パラシュートが十分に展開しないまま落下してしまいました。着地時に想定以上の衝撃を受けたものの、カンサットは走行を開始しました。しかし、前日と同様に硬い茎に阻まれて走行不能に陥ってしまい、ゴールから15mほどの地点でリタイアとなりました。さらに、不運なことに着地衝撃によって制御履歴が残らず記録は無効となってしまいました。
結果として、当初の目標であったゴールから5m以内への到達は果たせず、記録は約40mとなりました。しかし、GPSと9軸センサを用いた誘導は問題なく動作していることを確認できました。硬い茎の対策を行い、また確認ミスを無くすことができれば、十分に目標達成が可能であると考えています。
今回の大会は、コロナ渦で活動が途絶えて以降初めてのカンサット競技出場となりました。今後も人工衛星の打ち上げ?運用という思いを胸に活動を継続していきます。
大会HPのURL:https://noshiro-space-event.org/
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