カリキュラムガイド 一覧
[3] 大学院のカリキュラム
工学研究科 > バイオ?化学専攻
教育目標
ライフサイエンス、医療、バイオテクノロジーおよびナノテクノロジーを基盤とする分野においては、個人の多様性、年齢層の拡がり、価値観の拡がりなどに対応した、従来の工学とは異なる基準に基づく製品やサービスの開発が求められている。さらには、これらの製品やサービスは、我が国国内のみを対象とするものではなく、広く地球規模において複数の国や地域をその対象とするものである。このような背景の下、ライフサイエンス、医療、バイオテクノロジーおよびナノテクノロジーを基盤とする応用バイオおよび応用化学の分野において、従来の工学の枠を超えた発想を持ち、新規な産業を立ち上げていくことができる技術者の育成が求められている。バイオ?化学専攻では、応用バイオ学および応用化学の基盤を修得した上で、深く自らの研究を探究することにより基礎学力および応用?実践力をバランス良く身につけ、従来の工学の枠組を超えて、広く社会において活躍する応用バイオあるいは応用化学技術者の育成を目標とする。
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博士前期課程(修士課程)
専修科目 科目概要
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バイオ工学研究
現在、広範な分野でバイオテクノロジーが用いられ、医薬品や検査薬、さらに遺伝子治療や再生医療へと発展しつつある。DNAからRNA、RNAからタンパク質合成までの遺伝子情報の流れの本質を理解し、バイオ工学分野への応用と新分野の創造を目指す。分子生物学、細胞生物学、生化学や医用工学などの学術領域全般を修得し、バイオマテリアルの創製、核酸やタンパク質などの解析、遺伝子組換えによる物質生産やタンパク質の改変ならびに生命現象の計測と制御に関する理解 を深める。
目標●1. 本質?真理をつねに大事にし、客観的に追求することができる。2. 未知のもの、わからないことに、好奇心をもって取り組むことができる。3. 世界に先駆ける基礎?応用研究に貢献し、関連技術を修得しようと努力することができる。4. 生命科学を学ぶ意義を説明することができ、客観的に論じることができる。5. 研究成果を論文にまとめるとともに、口頭発表などにより、社会に公表することができる。 -
脳情報システム研究
行動は知覚や運動制御、動機づけ、さらには学習?記憶などによって組み立てられている。その行動を生み出しているわれわれの脳や動物の中枢神経系の構造と機能について学ぶ。脳や神経系について、細胞レベルの生理学や形態学にとどまらず、生物物理学、分子生物学、神経生化学、神経システム生理学などによって得られた最新の解析結果についても体系的に学ぶ。さらに、認識や理解、情動といった高次脳機能についても、非侵襲脳機能解析などによって得られた最新の知見を学ぶことによって、情報処理装置としての脳への理解を深める。
目標●1. 感覚、認知、知覚について説明できる。2. 筋肉の働きとその仕組みについて説明できる。3. 脳を構成する神経細胞の機能とそれを支える構造について説明できる。4. 神経細胞の興奮の伝導と、神経間の伝達の仕組みについて説明できる。5. 脳による運動の調節について説明できる。6. 脳の構造と機能局在について説明できる。7. 脳の統合機能について、人間と動物を比較しながら説明できる。 -
環境化学研究
環境化学は、地球環境における物質とエネルギーの循環ならびに化学的挙動を解明し、環境汚染物質の除去システムや環境保全のための新しい手法などを構築する基礎となる学問分野である。環境化学特論では、分離分析化学、機器的環境計測法、水圏環境化学などの関連学際領域を総合的に講述し、水中の微量化学種の化学反応に関する知識を修得する。
目標●1. 環境化学の領域における自らの研究の学問的位置づけと意義を、教員の指導の下に文章化して説明することができる。2. 研究の位置づけと意義の理解に基づき、研究計画について教員と討論ができる。3. 研究遂行に必要な機器操作や実験操作を正確に行うことができる。4. 教員の指導の下に、探査した文献の内容が理解できる。5. 教員の指導の下に、文献調査の結果などを考慮しながら、得られた実験結果を化学的に考察することができる。6. 研究成果を口頭発表などにより、教員の指導の下に社会に公表することができる。 -
有機?高分子機能化学研究
有機?高分子機能化学は現代のあらゆる産業を支える基盤学問である。本科目においては、有機機能物質や高分子材料の高機能?高性能化、あるいは全く新しい機能を有する次世代型の機能物質の創成に関する研究を行う。さらにバイオテクノロジー、無機化学、環境化学に関連する技術と融合させて環境調和?環境修復型の新素材の開発、繊維、食品、衛生、医療?福祉分野で必要となる人に優しい新機能物質やそれらを複合化した新素材の技術開発を行う。
目標●1. 有機化合物や高分子材料に関する最新の研究動向を把握し、自らの研究の意義、社会への影響について説明できる。2. 有機機能物質や高分子材料の高機能、高性能化に関する研究計画、あるいはバイオテクノロジーとの融合領域における研究計画を立て、それらをプロポーザルとしてまとめることができる。3. 研究成果を国内および国際会議での発表により社会に公表することができる。4. 実験データを正しく評価し、他者と議論しながら、研究を進めることができる。 -
無機機能化学研究
無機機能化学は、有機?高分子機能化学とともに現代の先端産業を支える基盤学問である。本科目においては、地球環境や人にやさしいプロセスあるいは物質を創製していくことを目的として、無機機能化学を、有機機能化学、ナノテクノロジーあるいはバイオテクノロジーと融合しながら、実践的な無機機能化学物質の合成プロセスあるいは物性、そしてプロセス評価手法および物性評価手法に関する基礎知識およびこれらの高度な応用のための基盤知識を講義あるいは論文講読などによ り修得していく。
目標●1. 自らが専修していく学問領域に関する基礎知識を持つとともに、これを研究の遂行に応用することができる。2. 自らが専修していく学問領域において研究を遂行していく上で必要な高度な知識を、自らの基礎知識に基づき得ていくことができる。3. 自らが専修していく学問領域の位置づけと意義の理解に基づき、専修していく学問領域における研究の計画を立てることができる。4. 自らの専修学問領域における研究活動において得られた研究結果を、自らの持つ知識あるいは文献などの調査の結果に基づき、論文にまとめることができるとともに、これを客観的に論ずることができる。
関係科目 科目概要
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基礎生化学特論
学部で学んだ生化学をベースとし、前半では糖質や脂質、タンパク質や核酸などの生体関連物質の生合成ならびに代謝について、後半では天然物化学を通じた二次代謝について詳細に学ぶことを目的とする。全体を通じて基本となる酵素反応では、有機電子論ならびに立体化学を交えてより詳細に理解し、機能性タンパク質の代表たる酵素の本質に迫る。天然物化学においては、ポリケタイドやテルペノイド、ステロイドやアルカロイドの生合成を通じて二次代謝の基礎を理解するとともに、医薬候補物質の宝庫たる二次代謝物の各論についても触れる。
目標●1. 生体関連物質の構造?分類?性質について理解し、説明できる。2. 生体関連物質の生合成ならびに代謝について理解し、説明できる。3. 酵素反応を立体化学ならびに有機電子論的に理解し、説明できる。4. 代表的な二次代謝物の構造?性質?生合成経路を理解し、説明できる。 -
基礎生物機能学特論
生命体の構造や機能を理解するためには、個体の発生からその死までの過程および進化の過程での変化についても知ることが重要である。この講義では生命維持のためのさまざまな機能に焦点を当てながら、特に人体の構造とその機能を定量化する測定方法とその正常範囲の検査値について学習する。
目標●1. 単細胞の構造と機能に関する必要事項を理解し、説明できる。2. 生命体としての人体を構成する各組織についてその特徴と機能を理解し、説明できる。3. 脊椎動物の受精卵から成体までの発生過程について理解し、説明できる。4. 生命体の機能を調べる古典的な計測手法から最新の計測手法についての特徴と限界を理解し、説明できる。5. 人体の持つさまざまな機能を定量化した場合に得られた検査結果の正常値範囲を理解し、説明できる。 -
基礎バイオ情報特論
生命現象そのものは、タンパクや核酸が主役となる情報伝達メカニズムから、脳が取り扱う高次の情報処理に至るまで、情報処理がその本質である。また、生命現象においては、理解しようとする現象由来のデータが、他の要因によるノイズのために乱されて、直接的な表現が意味をなさない事が多い。本科目では、実験データから意味を取り出すための、さまざまな統計的手法を修得し、生命現象の理解を情報的視点から深めることを目的としている。生命科学の基礎だけでなく、情報科学とコンピュータ利用の基礎を修得していることが望ましい。
目標●1. 遺伝子、タンパク質、生体イオンなどによる細胞内情報伝達機構を説明できる。2. 細胞外刺激受容の物質とメカニズムおよび、細胞間情報伝達機構を説明できる。3. 計算機を用いた大規模データ処理技術による分子進化学的解析について説明できる。4. 生命現象のさまざまな統計的取り扱い手法について説明できる。 -
基礎無機?物理化学特論
無機化学および物理化学は、無機機能化学の基礎となる科目であり、さらには机上における知識の修得のみではなく、演習を交えてはじめて十分な学力が修得できる科目である。本科目においては、物質の状態、化学熱力学、熱化学、化学結合、化学反応、結晶構造などの基礎的な項目について、演習をまじえながら学んでいき、学部における自らの学びを振り返りながら、修得してきた知識をより実践的な知恵に変えていくことを目標として修学を進めていく。
目標●1. 原子および分子の構造を説明でき、これに関する演習問題を解くことができる。2. 物質の状態と構造を説明でき、これに関する演習問題を解くことができる。3. 熱力学第一法則および第二法則を説明でき、これらに関する演習問題を解くことができる。4. 化学反

