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【協力プレイを通じてウェルビーイングの向上を目指す】
心理科学科2年生がポジティブ心理学を応用したテーブルゲーム『育て若葉ちゃんー褒め言葉で若葉を育てよう』を作成

心理科学科2年次の折坂結子さん、亀井蒼唯さん、河野叶芭さん、寺垣未悠さん、長島冴歩さん、松村晴菜さんの6名が、2年次前学期の授業「プロジェクトデザインII」[1]で、ポジティブ心理学を応用したテーブルゲーム『育て若葉ちゃんー褒め言葉で若葉を育てよう』を作成しました。
「みんなで若葉を育てる」という協力プレイで、身近な幸せや日頃の感謝に関する回答を声に出して回答することで、ウェルビーイングの向上といった心理的にポジティブな効果が得られるというもの。心理学の専門家からも「ゲームに特有の優劣を争うという固定観念を、軽々と超えていく発想は、イノベーションと言っても言い過ぎではないでしょう」と高評価を得ています。
以下、当ゲームの概要についてご紹介します。
ポジティブ心理学から生まれたテーブルゲーム
『育て若葉ちゃんー褒め言葉で若葉を育てよう』
趣旨
このゲームの一番重要なポイントは勝ち負けがないところです。このゲームはポジティブ心理学を主な基盤としています。「最近あった嬉しいこと」「右隣の人の素敵だと思うこと3つ」などの身近な幸せや日頃の感謝に関する様々なお題に対して、お題を変えながら順番に回答していきます。プレイヤーの回答に対して他のプレイヤーは、「うれしい」または「照れる」のいずれかの『感情カード』で感想を伝えます。『感情カード』の種類と枚数で、場にたまる『成長カード(葉っぱ、茎、日照り)』最終的に咲く花や若葉の成長過程が異なります。つまり、「みんなで若葉を育てる」という協力プレイです。身近な幸せや日頃の感謝に関する回答を声に出して回答することで、ウェルビーイングの向上といった心理的にポジティブな効果が得られます。
所要時間:15~20分程度
プレイ人数:3~5人
ルール説明
ルール1.
プレイヤーは「嬉しい」と「照れる」の『感情カード』を一枚ずつ持ちます。

ルール2.
プレイヤーは『お題カード』の山札から一枚引いてお題に沿ったポジティブな言葉を言います。

ルール3.
他のプレイヤーはその言葉に対してどちらかの『感情カード』を一斉に出します。その『感情カード』の組み合わせに応じて、場(若葉ちゃんシート)に「葉っぱカード」や「茎カード」を重ねていきます。ただし、途中で「日照りカード」が出ると葉っぱが減ります。「葉っぱカード」は全員が嬉しいカードを出したときに、「茎カード」は、照れるカードが出ており、なおかつ嬉しいカードを出す人もいるときに、「日照りカード」は全員が照れるカードを出しているときに、若葉ちゃんシートに出されます。そして。日照りカードが出されたときは、葉っぱが一枚減ります。すべてのプレイヤーが回答することを1ターンとして、この流れを5ターン行います。

ルール4.
最後に、若葉ちゃんシートに溜まった、葉っぱの数と茎の数を見て咲く花やその花の数を決定する。花の種類は、茎の個数によって、花の個数は、葉っぱと茎の個数で決まります。

経緯
このゲームは2年次前学期の『プロジェクトデザインⅡ』(担当教員:心理科学科 田中孝治准教授授? 基礎教育部プロジェクトデザイン基礎教育課程 宮田孝富准教授)のなかで開発しました。私たちは、1年次に『実践ウェルビーイング』[2]という科目を履修し、「人生を前向きにとらえ、ウェルビーイング(幸福感)を意識しながら、多様性のある世界で、人生の目標や自己を探求すること」の大切さを学びました。この科目での学びを活かしてポジティブ心理学を応用したゲームを作成しました。
このゲームを作ったプロセスとして、最初はやはり「ゲーム」なので勝ち負けを決めるという方向性で考えていました。お題に回答したプレイヤーに対してほかのプレイヤー達がその回答に対していかに自分に響いたかを評価し、響いたら挙手をし、響かなければ挙手はせず、その点数で競うというゲームでした。しかし、ポジティブなゲームなのに勝敗をつけること、また現代はポジティブなことを言うことに対して億劫になってしまう人が多いということで、そんな人達の立場になって考えてみて、せっかく頑張ってポジティブを意識して言った言葉がほかの人には響かなかったとなると、残念な気持ちになってしまい、それはポジティブではないね、という話になりました。そこで、評価方法をうれしいと照れるという大雑把かつ、どちらのカードをだされても、残念な気持ちにはならないということで、勝ち負けのない、協力プレイのゲームにしようという結論に至りました。
メンバーの想い
【折坂結子さん】
普段は言葉にしない感謝の気持ちや愛情を表現できるのが、このゲームの大きな魅力です。勝敗を気にすることなく、ゲームの参加者全員がハッピーな気持ちになれます。ぜひ沢山の人にこのゲームを通じて、ハッピーな気持ちになってもらいたいです。
【亀井蒼唯さん】
心理学を学び始めるころの初心を思い返してみると、ポジティブ心理学はすぐに思いつくようなものではなかったけれど、大学で学んだからこそ思いついた参加者全員がうれしくなるゲームにできたかなと思います。ぜひ沢山の人に楽しんでもらいたいです。
【河野叶芭さん】
私はこのゲームを作る過程で、最初は一人一人が言うポジティブなワードに対して評価を付けるという方向性にあまり納得ができず、より一人一人を尊重したゲームのほうがどんな人でもやりやすいのではないかと思いました。そこでどんな言葉を言ってもポジティブになれるようなルール(評価方法をうれしいと照れるの二つ)に変えました。
【寺垣未悠さん】
楽しみな
