ニュース

NEWS

【高大連携レポート】
大聖寺高校が「情報Ⅱ」でゲーム開発に挑戦 ―金沢工業大学知能情報システム学科坂本真仁講師?佐野渉二准教授らが高大連携授業―

2025/12/22 NEW

2025年10月2日?9日?23日?30日の4日間にわたり、石川県立大聖寺高等学校(加賀市)において、高大連携事業の一環として、情報理威廉希尔中文网站 知能情報システム学科の坂本真仁講師および佐野渉二准教授らが、同校の「情報Ⅱ」の授業においてオリジナルゲームの開発体験授業を実施しました。

同校は2024年、2025年にDXハイスクールに採択されています。今回は情報Ⅱを履修している3年生4名が、プロも使用するゲーム開発ツール「Unity(ユニティー)」を駆使したゲーム制作の基礎を学びました。

第1回「導入」(2025年10月2日実施)

初回は坂本講師によるオリエンテーションを実施しました。坂本講師は、ゲーム制作はプログラミングによる「論理の美しさ」やデザインによる「視覚的魅力」、音、そして物語といった要素にこだわれる「一種の芸術」であると紹介。さらに、ゲーム開発が単なる技術の習得ではなく、アイデアを実際に動く作品として「形」にする経験が重要であり、それがどのような分野でも役立つ「創造的な課題解決能力」という普遍的なスキルを育むことにつながると強調しました。

今回利用するUnityは、キャラクターの動きや物理演算など、ゲーム制作に必要な機能が詰まった便利なツールです。一度作ればPCやスマートフォン、家庭用ゲーム機などマルチプラットフォームで動作可能な点や、素材を簡単に入手できるアセットストアがあるなど利点が多いです。演習講義では、生徒はまず公式チュートリアルなどで学習をすすめ、その後、作品に明確なコンセプトと自分なりの工夫を盛り込む課題に取り組みました。

第2?3回「制作」(令和7年10月9日、10月23日実施)

第2回には佐野准教授も加わり、挨拶として自分で作成したプログラムが動いたことを喜ぶことを基本にして、スキルアップにつなげてほしいことを述べました。その後、坂本講師とともに生徒らの制作活動の支援を行いました。

生徒らは、動画の解説も参考にしながらゲーム制作に取り組みました。一人一台のパソコンを使い、チュートリアルとして「玉転がしゲーム」の制作に挑戦。立方体や長方形のオブジェクトでゲームフィールドを組み上げ、プレイヤー(ボール)を操作するプログラムを組み込みました。

中には約2時間で一つのチュートリアルを完成させる生徒もいて、完成した生徒が他の生徒をサポートする協働的な学習の場面も見られました。プログラムが思い通りに動かない時には、生徒同士が意見を出し合い、「プログラムの入力ミスか?」「操作順序の間違いか?」など、うまくいかない原因を徹底的に追究し、試行錯誤する姿が印象的でした。

第3回では、これまでに作り上げてきたゲームに、自分なりの工夫を取り入れたゲーム制作に取り組みました。前回の作業を保存(セーブ)できていなかった生徒もいて、チュートリアルをやり直す場面も見られましたが、それでも意欲的に取り組み、生徒たちからは「自分で動かせるゲームを作れたのは嬉しい!」「できることの範囲が広がった」といった、前向きな感想が寄せられました。

第4回「発表」(2025年10月30日実施)

最終講義で生徒らは、金沢工業大学の教員やクラスメイトを前に、単純な玉転がしゲームから自分で工夫を加えた「オリジナル玉転がしゲーム」について説明を行いました。具体的には、空中の物体に触れないようにボールを底に落とすものや、空中でチェックポイントを課すもの、迷路をモチーフにしたゲームなど、独自性のある作品となりました。

プレゼンテーションでは、作品のコンセプトや工夫点が詳しく説明され、生徒たちがお互いの作品を実際に操作し合う相互プレイが行われました。会場では「楽しい」「よくできている」といった称賛の声が飛び交い、発表会は大いに盛り上がりました。

生徒らは、自ら手掛けたゲームをプレイしながら、「とても有意義な時間だった」と感じるとともに、他者の作品に触れることで、新たな視点や技術的なヒントを得ていたようです。

生徒の評価?感想

授業後のアンケート結果によると、生徒たちは創造性と論理的思考力の両面で大きな学びを得たことが伺えます。生徒全員が「創造性やアイデアを形にする難しさ」を強く認識しつつも、「楽しさ」も同時に感じ、制作への意欲の高さが見られました。特に、ゲームの構成要素が連携して動く仕組みを構造的に理解する力や、期待通りに動作しない際に原因を論理的に特定する力がついたと評価しています。

また、ほとんどの生徒が、この専門的なスキルや経験を高校生のうちに学べたことに高い価値と優位性を感じており、大学教員による授業にも満足していました。

大聖寺高校とは、2025年10月10日に連携協定を締結しています。金沢工業大学としても本事業を通じて高校教育段階からのデジタル人材育成に貢献できたことは意義深いことです。今後も地域社会との連携を深化させながら、情報技術に関する専門的な知識と創造的思考力を備えた次世代のデジタル人材の育成に努めてまいります。

(関連ページ)

金沢工業大学と連携!情報Ⅱの授業でゲーム制作に挑戦

金沢工業大学と連携!情報Ⅱの授業でゲーム制作に挑戦〈第3回〉

金沢工業大学と連携!情報Ⅱの授業でゲーム制作に挑戦〈第4回〉

金沢工業大学研究室ガイド 情報理威廉希尔中文网站 知能情報システム学科 坂本真仁 研究室

金沢工業大学研究室ガイド 情報理威廉希尔中文网站 知能情報システム学科 佐野渉二 研究室