ニュース

NEWS

【高大連携レポート】
愛知県立木曽川高校 文系生徒112名が生成AIを実践体験:
知能情報システム学科 佐野准教授が教える「プロンプトエンジニアリングの可能性」

2026/1/7 NEW

令和7(2025)年12月3日(水)に、愛知県立木曽川高校普通科2年次(文系コース)生徒112名を対象に、金沢工業大学情報理威廉希尔中文网站 知能情報システム学科の佐野渉二准教授が「生徒向け情報探究講座」を実施しました。本講座は、高大連携の一環として、生成AIに関する基礎的理解を促すとともに、情報分野への関心喚起および探究的学習の深化を目的として行われました。対面とオンラインによる教室に分かれて、講義と実践演習を組み合わせた内容でした。

AIの基礎的概念について語る佐野准教授

第1部:生成AIの基礎知識とその驚異的な実力

まず「生成AIとは何か」という基本的な概念について解説がありました。冒頭の確認では、受講生徒の約半数が生成AIの使用経験を持っており、高校生にとっても生成AIが身近な存在になりつつある現状が示されました。佐野准教授は、従来のウェブ検索と生成AIの違いについて、ウェブ検索が情報の所在を提示するのに対し、生成AIは学習結果に基づき質問(プロンプト)に対する回答そのものを生成する点を強調しました。また、生成AIの学習過程を「膨大な穴埋め問題を解き続ける作業」に例え、その仕組みを分かりやすく説明しました。

この学習は、莫大な数の「穴埋め問題」を解く作業に例えられます。その実力を示すため、佐野准教授は国公立の入試問題(数学?英語)を生成AIに解かせるデモンストレーションを実施しました。AIは画像を認識し、驚異的なスピードで解答を導き出しましたが、同時に数学の問題で一部回答に間違いが含まれていたことが発覚しました。この実演は、生成AIの能力の高さを示す一方で、「回答には事実と違うことが含まれることがあるため注意が必要です」という重要な警鐘を生徒たちに強く印象付けました。

また、生成AIの用途は学習やアイデア出しに留まらず、日常的な会話、雑談、悩み相談、恋愛話など、多岐にわたる対話相手としても利用できることが強調されました。さらに、テキストだけでなく、プロンプトから画像や動画を生成する能力についても紹介され、実際に「愛知県立木曽川高等学校」をイメージしたイラストを生成するデモンストレーションも行われました。

第2部:実践「プロンプトエンジニアリング」演習

講座の後半では、生成AIを最大限に活用するための鍵となる「プロンプトエンジニアリング」の実践的な演習が行われました。プロンプトエンジニアリングとは、生成AIの能力を引き出すために、入力となる「プロンプト」を適切に用意し、より良い結果を得るプロセスを指します。

「生成AIにあなただけの観光旅行のプランを考えてもらう」という課題が設定されました。生徒たちは、尾張一宮駅を起点とし、東京のスカイツリー、浅草寺、上野動物園など、具体的な目的地や時間(例:麻布台ヒルズには15時ごろに行きティータイムを楽しみたい)といった詳細な条件をプロンプトに盛り込み、日帰り旅行プランの作成を試みました。

この演習を通じて、佐野准教授は「人間相手(旅行代理店)と同じで、詳しく言った分だけ、自分に合ったプランになります」というプロンプト作成の原則を伝えました。生徒たちは、単なる質問ではなく、役割や具体的な文脈、出力形式(文字数、箇条書きなど)を含めることで、回答の精度が向上することを体感しました。

さらに、生成AIの学校内での応用例として、授業でのヒントの入手、発展的な内容の探究、練習問題や類似問題の作成、英作文の添削、さらには探究学習におけるブレインストーミングや課題研究の「壁打ち」相手など、多角的な活用方法が示されました。

生成AIを「能力アップ」のツールとして活用せよ

佐野准教授は、講座のまとめとして、生成AIを活用する上での倫理観と心構えを強調しました。最も重要な教訓は、生成AIを「楽するために使わない」という点です。問題を解くことをAIに任せるのではなく、AIを「ヒント」として、あるいは「自分の解答が正しいか確認する」ためのツールとして使い、生徒自身の能力向上(能力アップ)に役立てるべきだと強調しました。この効果は、かつて人間よりも弱かったが、現在ではプロ棋士の練習相手となり、結果的に人間側の能力を向上させているコンピューター将棋の例を用いて説明されました。

生成AIは「物知りで優秀ですが、知ったかぶりもして少し信用ならない友人」のような存在だと比喩され、AIが出力する回答(ハルシネーションを含む)を鵜呑みにせず、必ず自身で検証する必要性が再確認されました。

佐野准教授は、AIは今後もAGI(汎用人工知能)やフィジカルAIとして進化し続けることに触れ、生徒たちに対し、「生成AIをいろいろと使ってみましょう」というメッセージを送り、AIを積極的に利用し、自己の能力を高めていくよう激励して講座を締めくくりました。学校内での利用ルールは、スマートフォンの使用ルールと同様に、先生に確認して利用すべきであることも合わせて伝えられました。

オンラインで視聴する木曽川高校の生徒

(関連ページ)

金沢工業大学研究室ガイド 情報理威廉希尔中文网站 知能情報システム学科 佐野渉二 研究室

金沢工業大学 情報理威廉希尔中文网站 知能情報システム学科

金沢工業大学 情報理威廉希尔中文网站 情報工学科